おくりびと
- 作者: 青木新門
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1996/07/10
- メディア: 文庫
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東京でチェロ奏者をしている主人公は、オーケストラが解散となったことをきっかけに、妻を連れて生まれ故郷である山形へと帰る。
そこで彼は納棺師という職につき、自身の迷いや周りの無理解を少しずつ乗り越えていく。
死というものを描きながらも、絶えずどこかに明るさがある。
笑えて、それでいて、ほろりとさせられる。
幼いころに姿を消した父をうらみながらも、面影を求める主人公の様子が印象的だ。
必要以上に感動をあおることはなく、静かに物語は進んでいく。
納棺師という特殊な仕事が描かれていることが、この作品の見どころになってはいるのだが、そればかりではなく、ちいさなエピソードの数々がこころにやさしく響く。
アカデミー賞外国語映画賞を受賞したという話題性からだけでなく、もっと注目されてもいい作品。
滝田監督は、以前にも東野圭吾原作の『秘密』を映画化しているが、あれも良かった。次回作は『釣りキチ三平』なので、また原作もの。映画好きとしては、本当はオリジナルシナリオ作品を応援したいのだが、仕事柄、原作ものの映画はなるべく観るようにしてブログでも紹介したい。
☆まだまだ映画館での上映は続きますが、はやくもDVDが3月18日に発売されます!