図書館はいらない?

ライブラリー・アカデミーでの次回の論題は「Web2.0は図書館/ライブラリアンにどのようなインパクトを与えるのか」である。どこからどうやって考え始めればいいのか迷ってしまうが、インターネットであらゆる情報がある程度正確に得られるようになれば、図書館はいらなくなる?というところから出発したい。

何か調べものをするのに、今の中高生がどうしているかというと、携帯で検索をするのである。勤め先では生徒たちが校内で携帯を使用することはできないのだが、すぐに調べようとしたがる。きっと学校以外でも携帯に頼っているに違いない。大学の合否も携帯で分かるこの時代、携帯の小さい画面が広く世界とつながっているのを実感する。

わたし自身が学生のときには、レポートなどで何かについて調べたいというときに図書館をよく利用した。自宅に百科事典があるわけではなく、どんな事柄についても、少し詳しく知ろうと思えば、ほかに調べる手段はなかった。

大学生の頃に購入した電子辞書に広辞苑が入っていて、それだけでかなり気軽に調べものができるようになった。その頃の携帯電話は通話かメールしかできなかったというのも、遠い昔のことのようである。

今は携帯電話から広辞苑で調べものをよくしている。さらにはつい最近では無料で百科事典を使えるようにもなった。
Yahoo!百科事典
http://100.yahoo.co.jp/

図書館がかつて大きな役割を担っていたレファレンスのようなことが、これから先はウェブで出来るようになっていく。

1つの資料だけに依らないようにするのは調べものをする際に必要なことだが、これだってウェブ上で信頼できる内容の資料のいくつもを比べられるようになりさえすれば、クリアー。

ライブラリアンの立場としては「図書館は無くなったって別に誰も困らないでしょ?」という声にいかに答えるかが重要になってくると思う。

Web2.0は図書館/ライブラリアンにどのようなインパクトを与えるのか。それは、図書館やライブラリアンの存在自体を揺るがす大問題である。

では逆に、図書館やライブラリアンがWeb2.0に何らかのインパクトを与えることはできるだろうか。そこまで考えることをしないと、世間の人たちに図書館が必要だという風には思ってもらえないはずだ。

では、具体的に何ができるのだろう。